YouTubeで格闘家が水抜きしている動画が上がっていますが、なぜ水抜きするのかよくわかりませんよね。
そこで今回の記事では元プロボクサーの僕が、格闘家が水抜きする理由を紹介します。
この記事を読むことで、水抜きすることのメリットが理解できるでしょう。
目次
格闘家が行う水抜きとは?
無理やり体の水分を抜いて体重を落とすことを、水抜きと言います。
大量に汗をかいて体重を一時的に落とすことで、試合の契約体重をクリアするのです。
僕も試合前は水抜きしており、約2kgは水抜きして落としていました。
水抜きすると短時間で体重が落ちるため、多くの格闘家が計量のために水抜きをします。
しかし脱水症状を起こしたり、思ったほど体重が落ちなかったりして、計量失敗する選手が多いです。
そこで格闘技団体のONEでは、選手の水抜きを禁止しています。
それでも水抜きをして減量する方法は、現在の格闘技界では主流です。
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格闘家はなぜ水抜きするの?理由を3つ紹介
試合に勝つための減量方法として、なぜ水抜きが良いのか、その理由を見ていきましょう。
ポイント
- 短時間で体重を落とすため
- 短時間で体重を戻すため
- 体のコンディションを保つため
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 短時間で体重を落とすため
水抜きは体の水分を出すので、すぐに体重が落ちます。
例えば1kg脂肪を落とすためには、運動量を増やしてカロリー摂取量を制限しなければなりません。
さらに、どんな人でも1kgの脂肪を落とすためには、ある程度の時間が必要です。
しかし水抜きの場合は、短時間で1kg落ちます。
短時間で体重を落とすことができれば、計量ギリギリまで無理に体重を落とす必要はありません。
よって、減量中でもご飯の量を制限しすぎたり、練習量を増やしてオーバーワークになったりすることを防げます。
つまり、なるべく体調が良い状態で計量をクリアして、試合に臨めるのです。
2. 短時間で体重を戻すため
水抜きで体重を落とすと、体重が戻るのも早くなります。
なぜなら体の水分を一時的に減らしているだけなので、水を飲むだけで、体重が戻るからです。
プロボクシングの場合、試合の前日に計量があります。
計量をクリアしてから試合までに上手く体重を戻してリカバリーすることで、相手よりも有利に試合へ臨めるのです。
一方、脂肪を落とすだけで水抜きをせずに計量をクリアしていた場合、次の日の試合までになかなか体重が戻りません。
水抜きしていない選手に話を聞くと「計量クリア後から試合当日までに、1kgも増えていない」とのことでした。
僕のように1日で5kg以上も体重を増やすのは、水抜きなしではあり得ません。
さらに水抜きによって短時間で体重を増やすことで、体重差を活かした試合運びが可能です。
3. 体のコンディションを保つため
水抜き減量することで、減量中でも体のコンディションを保ちやすくなります。
体の水分を一時的に落とす分、脂肪や筋肉量を減らす必要がありません。
僕の場合、水抜きのおかげで計量2日前までご飯を食べられるので、エネルギーが不足することなく、試合に向けた練習がしっかりできました。
もし水抜きをしない場合は、脂肪や筋肉量を減らして体重を落とさなくてはいけないので、減量中は食事の量が極端に減ります。
水抜きをすることで減量期間中もご飯を食べられるので、体のコンディションを保ったまま、充実した練習ができるのです。
【実体験】水抜きの危険事例について
水抜きにはメリットがありますが、身体に危険を及ぼす場合もあります。
一番起きやすい事例は、脱水症状です。
全身の水分が減り、体の機能が上手く作動しなくなってしまいます。
ひどい場合は、意識を失ってしまうこともあるでしょう。
その時は顔面から床にぶつかり、倒れた衝撃で前歯が折れてしまいました。
幸いにも奥さんが発見し、少し水分を摂ったおかげで回復できました。
無事に体重を落として計量クリアし、試合にも出ることができましたが、水抜きの危険性を実感した出来事です。
4回戦プロボクサーだった僕の水抜き方法
続いて、元4回戦プロボクサーだった僕の水抜き方法を紹介します。
具体的には、以下の手順です。
ポイント
- 塩分をカットする
- 野菜や果物を食べる
- 熱めのお湯に浸かる
水抜きといっても、ただ熱いお湯に長時間浸かるだけではありません。
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 塩分をカットする
人によっては、2~3日前から塩分を摂らない人もいるようですが、僕の場合は水抜きの前日から塩分を摂らないようにします。
なぜ塩分をカットするのかというと、体の水分を出しやすくするためです。
ラーメンなど塩分がたくさん含まれているものを食べると、浮腫みやすくなりますよね。
要するに、塩分を取ると水分を体に溜め込んでしまうのです。
そうすると、体重は増えてしまいます。
そのため食べ物や飲み物の表示を見て、塩分が少しでも入っていたら、食べないようにしていました。
水抜きに入る前に塩分を抜くことで、水抜きしやすい体になります。
2. 野菜や果物を食べる
野菜や果物に含まれているカリウムが、体の水分を排出する手助けをしてくれます。
しかしたくさん食べると体重が増えてしまうので、食べる量は少量にしましょう。
きゅうりやキウイなど、カリウムがたくさん含まれているものがおすすめです。
塩やドレッシングをかけると塩分が水抜きの邪魔をするので、何もかけずに食べます。
野菜や果物を食べることで、減量中の空腹感も紛れるはずです。
3. 熱めのお湯に浸かる
塩分をカットして野菜や果物を食べて水抜きしやすい状態を作った後、熱めのお湯に浸かります。
こうすることで、体重の落ちが早いです。
私の場合、41℃のお湯に1時間ほど浸かると、約2kg体重が落ちます。
そして辛くなってきたらお湯から出て、少し休憩を挟みます。
お湯に浸かる→休憩するを繰り返すことで、身体中の汗を絞り出し、契約体重をクリアしました。
まとめ:なぜ格闘家は水抜きするの?→上手く計量クリアして試合に勝つため!
今回の記事では、格闘家が水抜きする理由を紹介しました。
水抜きをすることで体調を崩さずに減量でき、万全の状態で試合に臨めます。
ぜひ皆さんもプロボクサーになって、減量に挑戦してみてください。
しかし、仕事とボクシングの両立が難しい人もいるかと思います。
そういった人は、私が実践していたプロボクサーとサラリーマンを両立する方法を試してください。
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